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2022年7月25日 (月)

猫と鼠――モチーフ分析

◆あらすじ

 昔、神さまが十二の干支(えと)を決めるため正月十二日朝、まっさきに来た者から順番を決めることにした。猫はその会議に差し支えがあって行けなかったので、鼠(ねずみ)に干支を決める日はいつだったか訊いた。鼠は猫を騙して十三日だったと答えた。鼠は十一日の晩、牛小屋の中で寝ていた。夜中頃、牛がごそごそ出始めたので、どこへ行くか訊いたところ、そろそろ出かけないと間に合わないと言った。鼠はずるい事を考えて牛の背中に乗った。そうして神さまの門口についた時、ぴょんと飛び降りて牛より先になった。そこで鼠が一番、牛が二番となった。十三日の朝、猫は一番になろうと早々に出かけていった。すると門番が何しに来たと訊いたので、今年は干支が決まるというのでやって来たt答えた。すると何を寝ぼけている。顔を洗ってこい。あれは昨日済んだと散々に笑われた。猫は鼠に騙されたと腹が立ち、その日から顔を洗うことを始めた。そして鼠を探しては捕る様になった。

◆モチーフ分析

・干支を決めるため正月十二日朝にまっさきに来た者から順番を決めることになった
・猫はその会議に行けなかった
・猫、干支を決める日を鼠に尋ねる
・鼠、十三日だと猫を騙す
・十一日の晩、鼠は牛小屋で寝ている
・牛が出発したので、その背中に飛び乗る
・牛が門口に到着した際に飛び降りて一番乗りとなる
・鼠、干支の一番目となる
・十三日、猫が神さまの門口に行く
・干支を決めたのは昨日だ。顔を洗ってこいと嘲笑される
・鼠を恨んだ猫はそれから顔を洗い、鼠を捕るようになった

 干支を決まる集まりが<開催>されることになった。猫は鼠にその日は何時か<質問>する。鼠は猫を<騙す>。鼠は牛の背中に乗り、<一番乗り>を果たす。鼠、干支の一番目の地位を<獲得>する。猫は鼠に騙されたことに<気づく>。鼠を恨んだ猫は顔を<洗う>ようになり、鼠を<捕獲>するようになった。

 発想の飛躍は鼠のずる賢い知恵でしょうか。猫が顔を洗い、鼠を捕るようになった由来譚ともなっています。

◆参考文献
・『日本の民話 34 石見篇』(大庭良美/編, 未来社, 1978)pp.108-109.

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