悪文解読法あり――千葉雅也「現代思想入門」
千葉雅也「現代思想入門」を読む。フランス現代思想(主にポスト構造主義)についての入門書。日本人学者が日本語で日本人に向けてかみ砕いて書いているので分かり易かった。
デリダ、ドゥルーズといった学者の名は知っているが、彼らがどのようなことを述べたのかは知らなかった。最先端の領域では観念論と実在論が交錯しているという解釈をしてもいいだろうか。
哲学書を読む際には翻訳文体が壁となる。文法が異なり言い回しも違うから頭にすっと入ってこないのだ。本書では悪文とも言える文章の読解法も記されている。弁論術、レトリックの技法が盛り込まれていることも原因の一つだとか。
哲学を本格的にやるにはIQ120くらい必要なのかなと考えている。僕自身は親に何も言われていないので、多分IQ100前後だろう。しかし、東大出の著者も一読では理解できないと書いているので、難解なのは誰にとっても難解なのかなと思わされる。
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