頭にすっと入らない――バウムガルテン「美学」
バウムガルテン「美学」を読む。800ページ以上ある大著。ギリシア・ローマ的教養に裏打ちされた本。頑張っても一日10%くらいしか読めない。決して難しいことを言っているのではない。むしろ懇切丁寧に論じているのだが、翻訳文体なので、元の言語と日本語では言い回しが異なることもあって、さっぱり頭に入らない。読み進めるのはかなり苦行であった。
訳者あとがきによると、晦渋なラテン語で書かれているとあるので、難解な本ではあるのだろう。訳者あとがきを読んでから本文を読んでもよかったかもしれない。
<追記>
「美学」は主に詩学について論じた本だが、ここでは詩は朗読されるものと考えるのが前提のようだ。
自分にとっては、感性には先天的感性と後天的感性とがあるということが分かっただけで十分問題の切り分けができるようになった。
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