オープンフォーラム第6号が送られてくる
斉藤先生からオープンフォーラム第6号が送られてくる。文教大学の冊子で多分学内でしか流通していないと思う。国会図書館にも無いかもしれない。
第5号から引き続きコロナ禍の諸相についての論考集である。民俗学では神奈川の神楽社中へのインタビューが掲載されている。社中によっては神社への奉納が0件であったりする。ある社中でも1~2件といった水準である。非常に危機的な状況である。コロナはいつ収束するのか先が見えない。普通の感染症なら数年で収束するはずだが、コロナもそうなるとは思えない。
厚木市の垣澤社中では神楽のリモート稽古を取り入れたとある。垣澤社中では家元の娘さん(次期家元)が積極的に動いており、創作神楽の映像化などに取り組んでいる。
その垣澤瑞貴さんへのインタビューが今号の注目記事だろう。神事芸能だけでなく興業舞台へ挑んでいこうとしている。そういう意味でも積極的な発想をされている。そして、そのためには芸の質を高めなければならないとの認識である。
思うに、瑞貴さんがやりたい方向性は石見神楽や芸北神楽が先行しているそれかも知れない。似て非なるものかもしれないが、そこの区別は僕にはつかない。
舞台で伝統芸能を演じることの是非については大正末年の日本青年館での上演が嚆矢となる。実は当時の意見と現在のそれとはほとんど変わらないのである。永遠の課題なのか100年進歩がないのか分からないが、興業に重きを置くと「ショー化している」という常套句がまた繰り返されることになる可能性も否定できないのではないか。そういう意味でも動向には要注目である。垣澤瑞貴さんはTwitterでアカウントを開設しているので、興味のある人は検索してみるといいだろう。
他、コロナで稽古ができない時間を活用してビデオのデジタル化作業も行っているとのこと。そういうアーカイブズが公開されるといいのだけど。
武蔵小杉の神輿を調査したレポートもある。
ちなみに巻頭記事は僕の書いたものである。石見神楽と芸北神楽はなぜ人気があるのかという小論考。巻頭においてもらったのは名誉なことである。
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