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2022年3月 8日 (火)

出雲神話は存在しない?

出雲神話は存在しない?!『古事記』もう一つの読み解き方
https://story.nakagawa-masashichi.jp/39541

という記事を読んで驚く。この記事では青山学院大学の矢嶋泉教授に取材しているのだけど、記事中では出雲を中心とした四隅突出型墳丘墓の存在がすっぽりと抜け落ちている。

文献上でなら、日本書紀は出雲神話への言及は少ない。天孫系の歴史のみで十分としている訳だが、それでも国譲りの記述はある。文献上の記述だけで分析するなら出雲神話なるものは存在しないとなるかもしれないが、考古学上の成果を等閑視する姿勢には疑問を抱く。

国生みと国造りは異なる。

荒神谷遺跡が発見される以前は出雲は架空の舞台と考えられていたらしいが、この先生の見解はその昔に逆戻りするものである。「純粋文学」とでも呼称しようか。矢嶋教授は若い頃の学習がアップデートされていないのではないか。

日本書紀では初代神武天皇の后は出雲の事代主命の娘となる訳だが、文学上ではどういう説明がされるのであろう。誰でもよかったのだろうか。だったら奈良近辺の豪族の子女でいいではないか。

国引き神話には三瓶山の噴火による土石が神戸川水系を通じて流れ、出雲平野の形成に繋がったことが神話形式で語られる。縄文時代からの記憶が息づいている訳だが、では出雲ニュータウン説はどう解釈するのだろう。なぜ日本トップクラスの巨大な神社を築かねばならなかったのか。

出雲国造家は現在でも出雲の権威である。なぜその地位を保ってこられたか、この点でも納得のいく説明が必要である。

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