岩戸神楽が五行神楽――結城司「大宮住吉神楽に隠れた陰陽五行説の影響 ~神楽師としての視座から~」
結城司「大宮住吉神楽に隠れた陰陽五行説の影響 ~神楽師としての視座から~」を読む。電子書籍。アンリミテッドで読む。
埼玉県坂戸市の大宮住吉神楽の岩戸神楽を五行神楽と解釈する新説について解説した本である。自分は関東の里神楽について、鷲宮神社の催馬楽神楽、品川神社の太々神楽、横浜の神代神楽、相模の神代神楽、大宮住吉神楽(一度だけ)を鑑賞したことがある。
管見の限りだが、関東の里神楽には天蓋、神楽歌、五郎王子(五行神楽)の三要素が欠如している様に見える。なので、関東の里神楽は修験の影響が薄いのかなと推測させるものとなっている。
本書では大宮住吉神楽の五行神楽について岩戸神楽を当てる形となる訳である。大宮住吉神楽の神前には五色の幣束が飾られており、陰陽五行思想を感じさせるものとなっている。
また、「倉稲魂命種蒔の座」「山幸海幸交易の座」でも陰陽五行思想が見られると指摘し、更に進んで「剣玉誓剣サガシの座」の出典に仏教説話が認められることに言及している。
実際に舞っている神楽師の方が執筆されていて、説得力が高い。
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