神話学で昔話を読み解く――古川のり子『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』
古川のり子『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』(角川ソフィア文庫)をよむ。広く知られた昔話を神話学の手法で読み解く本。読んでいると神話と昔話の双方が似たようなモチーフを持つことが指摘される。しかし、昔話の話者が神話に通じていたとも考えにくいので、同じ様な通念があったというところだろうか。
あとがきで「昔話は、神話学、考古学、民俗学、日本文学、心理学など多くの領域で取り扱われることによって、これからも新たな研究成果を生みだしていくことができるだろう。」としている。多少希望のようなものは感じられる。
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