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2022年1月

2022年1月31日 (月)

Amazonで電子書籍をセルフ出版しました その4

AmazonのKDPで電子書籍「石見の伝説」をセルフ出版しました。島根県石見地方の伝説を取り上げた本です。2/22 17:00~2/24 16:59まで無料キャンペーンを行っています。この機会にぜひお求め下さい。なお、コメントまでは求めませんがレビューしてくださると助かります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09RJZVPQF/

・はじめに
・琴姫さん
・浮布池と姫逃池
・城を守った鶴――石見銀山の伝説
・城上神社の亀石
・山谷のお延
・文次郎つり場
・敬川の水騒動――お鶴さん
・多鳩神社と石見王
・浅利町と浅利姫
・島の星山と隕石
・牛鬼と影ワニ
・雲と蜘蛛――山城にまつわる伝説
・島根における名馬池月伝説
・手ぼう正宗
・谷田の池の蛇姫
・鏡山事件――お察とお初
・大地主さん――文禄・慶長の役にまつわる伝説
・やってきた二つの島――浜田の「まんが日本昔ばなし」
・長寿で怪力――浜田の千年比丘
・火事の記憶か――犬島・猫島
・浜田市における和泉式部の伝説
・井野と弥九郎霧
・長安寺の身がわり地蔵
・宝珠院と古田騒動
・三隅神社の厄よけ石
・罪一等減じられる――若狭部豊見
・金の茶釜と白南天
・えんこう淵
・おまんが淵
・浜田連隊と安来のキツネ
・亡霊――お花峠
・高島のお伊勢さん
・向横田城の邯鄲夢の枕
・蟠龍湖と長者伝説
・七尾城悲話
・馬洗いの水――島根県における白米城の伝説
・益田で一番のため池――願長堤
・うどうど墓
・なれあい観音
・碁うち天狗
・舟かずきの墓
・小沙夜淵
・柿本人麻呂の伝説
・扇原関門・岸静江の墓
・源氏巻と元禄赤穂事件
・鉄砲の名人又市
・おしも田
・ケヤキを伐った話
・法師淵
・汗かき地蔵
・(番外編)おとみーさん
・あとがき

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2022年1月25日 (火)

昔話の理論を図式化してみる

昔話の主な理論を図式化してみる。縦軸が文←→心、横軸が全←→個として、第一象限にプロップ(機能分析)、第二象限に歴史学派(モチーフ分析)、第三象限にリュティ(現象学)、第四象限に河合隼雄(精神分析)と置いてみた。
Mukashibanashibunpuzu01

リュティの理論を昔話の現象学と呼ぶかどうかについては個人的な意見だが、読んでいて現象学っぽいなと思ったので。

こうしてみると四象限とも埋まっているのである。新しい切り口はないかと考えてみたが、この図からは出てこなさそうだ。

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2022年1月24日 (月)

益田で一番のため池――願長堤

◆あらすじ

 昔、川登(かわと)のお寺に願長(がんちょう)という住職がいた。開祖は山口から来た大内氏の家臣であった。

 近所に年頃の娘が住んでいたので、願長は縁談の話を持っていった。相手は山口の江崎の人だった。結納も無事に済み、願長は胸をなで下ろした。

 ところが、娘の気が急に変わり、嫁には行かんと断ってきた。ある日、娘の家の前を通りかかった時、娘は着物の裾をめくり、尻を叩いて願長を馬鹿にして罵った。願長ははらわたが煮えくりかえった。武士の血が騒いだ。その日のうちに隣町の金物屋に行って刃物を買った。そして寺に戻ると、娘をおびき出して殺してしまった。

 それ以来、その周りの土地は作物が育たなくなった。

 このことが津和野のお殿様に知れて、僧でありながら人を殺すとはけしからん。罰として大豆の俵を三里浜まで並べるほど作るか、村全体の田んぼを潤すほどの大きな堤を作るか、どちらかしたら罪を許してやろうといった。

 願長は悪いことをしたのだから、後世に残ることをしようと、大きな堤を作ることにした。そして村人を雇って大工事が始まった。にぎり飯用に毎日一俵の塩が使われた。

 そうして二十七年かけて堤が出来た。そして自分も反省し、皆に感謝した。後に死ぬときに自分は罪人だから墓は建ててくれるなと遺言したので、みすぼらしい墓が作られた。

 こうして罪滅ぼしに作られた池が後に願長堤と言われるようになった。今でも堤の傍らに僧願長頌徳碑が建っている。

◆出典

 この伝説の出典は島根大学昔話研究会『益田の民話』とあります。頌徳碑が建てられたのは昭和八年とあります。総面積四町歩(四ヘクタール)、工期は寛永十年(一六三三年)から万治(まんじ)三年(一六六〇年)までで、二十七年を費やし、人力だけで立派な堤を造り上げた偉業であるとしています。

◆余談

 この話は『夕陽を招く長者』に付属のDVDを視聴していて知りました。益田市の話ですが、どこに堤があるのか分かりません。益田市で最も大きなため池だそうです。関連するWEBサイトでは雁丁堤と表記しています。

 尻を見せたということは着物の裾をまくって見せたということでしょう。伝説では願長が怒っていますが、昔話では裾をまくって尻を見せたところ、鬼が大笑いして危機を逃れるという筋立てになっています。

◆参考文献

・『夕陽を招く長者 山陰民話語り部シリーズ一』(民話の会「石見」, ハーベスト出版, 2013)pp.93-95.
・『昔ばなしの謎 あの世とこの世の神話学』(古川のり子, 角川書店, 2016)

記事を転載→「広小路

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2022年1月18日 (火)

ニューアカの嚆矢――浅田彰「構造と力」

浅田彰「構造と力 記号論を越えて」を読む。ニューアカデミズムの嚆矢となった本。学生の頃から三十年以上経過してようやく読んだが、僕のレベルではよく分からなかった。チャート式で例えると青チャートだろうか。馴染みのないカタカナ語が頻出するので、できれば電子書籍版で読みたかった。フォントも小さいし。浅田氏が二十代でこれを書いたというのは驚異的だが、その後、氏が思想家として大成したかというと、そうでもないようで。

今になって思うと、浅田氏はなぜ大学院で経済学の道を選んだのだろう。明らかに哲学に興味を持ち、適性もある。経済学と哲学を両立させることは困難だったろう。実際、氏は母校の京大では出世していない。

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2022年1月12日 (水)

快速アクアライナー全廃

JR山陰本線、米子~益田間を走る快速アクアライナーが2022年3月で全廃されると知る。急ぎの場合は特急でとなる。松江の島根県立図書館に通いたいのだが、行きは特急でとなる。

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2022年1月 8日 (土)

特撮番組制作者の理論武装――白倉伸一郎「ヒーローと正義」

白倉伸一郎『ヒーローと正義』(寺子屋新書)を読む。東映で特撮ヒーロー番組のプロデューサーを務めている著者の作品。白倉Pのイメージは切れ者。平成ライダーシリーズを軌道に乗せ、若くして東映の取締役にも就任している。

読むと特撮ヒーローに限らず「ヒーロー」と「正義」全般について考察されている。ちょっと意地悪な見方をすると、特撮番組の制作において、大きなお友達のクレームに対処するには、これ程の理論武装が必要となる。切れ者が理論武装しているのだから、容易には崩せない。

このブログ的に見所を紹介すると、日本のヒーローの原型としてスサノオ命が挙げられる。いわゆるヤマタノオロチ神話である。高天原を追放されたスサノオがオロチを退治することで出雲の英雄となる神話である。

ところで古事記や日本書紀は大和朝廷によって編纂された書物である。朝廷の正統性を訴えるという観点からすると、出雲のスサノオ命や大国主命の神話は削除したいもののはずである。だが、それができなかったのは編纂時、既にスサノオや大国主命の神話は民衆の間でポピュラーなものとなっていた。それ故に取りこまなければならなかった……というもの。白倉氏独自の視点か参照した文献があるのかまでは分からない。巻末に参考文献は挙げられている。

<追記>
桃太郎の昔話では確かに村人たちが鬼たちの被害に遭う場面は描写されていない。しかし、桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰る財宝はどうやって集めたのだろう。それは略奪されたものではないか。財宝を描くだけでそこまで想像力が働くのではないだろうか。

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2022年1月 7日 (金)

更なる沃野はあるか

お題記事で今年の抱負を述べた。多分、春までにはこれまでブログで書きためていた記事を電子書籍化できるだろう。石見の伝説と神楽に遭遇したという幸運があった。

裏を返すと春で僕の持ちネタは尽きてしまう。この先に更に開拓すべき沃野はあるだろうか。幸運はそう何度も巡ってこない。

伝説と神楽は子供の頃に好きだったもの。なら青春期に好きだったものはどうだろう。例えば現代思想。ただ、現代思想は僕には難しすぎると思う。手始めに高校の倫理社会の参考書でも読もうかと思っている。高校生時に履修しておらず初歩的な哲学史がインプットされていないのだ。

他、いずれ角川書店の日本昔話大成シリーズを通読できないかなとも思っている。昔話で何か新しい切り口はないか探したいのだ。……とはいっても入手可能な口承文芸関連の本は少ないし、先人によって開拓され尽くしているから期待はできないが。

「室町時代物語大成」も考えてみたが、あれは消耗する。手間をかけた割に後に残らない。

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悪文――蓮実重彦「表層批評宣言」

蓮実重彦「表層批評宣言」を読む。読んだといってもさっぱりでほとんど理解していない。本文中の重要な概念が定義されず具体例もほとんど示されないままに進むのである。初読の読者に理解できる構成となっていないのである。

抽象的で曖昧な言葉を弄び、異様に長いワンセンテンス。これは悪文という他ないだろう。思うに読者には悪文を拒否する権利がある。再読したいとは思わない。

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2022年1月 5日 (水)

総論は星三つ

「神楽と文芸(総論)」レビューがつく。星三つ。普通という評価。良くも悪くもないといったところ。コメントが無いので、どの立場でどこが不満か分からない。総論については踏み込んで書いたつもりなので賛否両論あるだろう。売る立場としては一発目のレビューがこれだと厳しいか。

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2022年1月 2日 (日)

2022年今年の抱負/やりたいこと(お題記事)

あけましておめでとうございます。

今年は電子書籍を三冊出版したいと思っています。去年三冊出しました。今年は島根県の伝説と神楽の人気演目についてです。伝説の方は記事を書き終わってスタンバイ状態です。神楽の方はこれからですが基本的にブログに掲載した記事をですます調に直すだけなので、ひと月もあれば下準備は終わるのでないかと見ています。

それで電子書籍化が完了したら、オンデマンド本化したいと考えています。去年出版した本で二冊オンデマンド化していないものがありますので、合計五冊オンデマンド本化したいと思います。

これは紙の本にして国会図書館に寄贈したいと考えているからです。ブログの記事は私が死んだらいつか消えてしまいます。なので、そうなる前に記録を残しておきたいと考えているのです。

オンデマンド本化が完了したら、島根県立図書館・郷土資料室にも献本したいと考えています。

まあ、大体春までには終わるでしょう。それ以降の目標については未定です。合計で六冊出版することになりますが、それで私の持ちネタは大体尽きます。それ以降でなお書きたい過剰なことがあるか、それは長い目で見ねばならないでしょう。

きっかけはブログを始めて2006年夏に実家に帰省した際に日本標準『島根の伝説』が残されていたことなので、足かけ16年の総決算となります。

電子書籍が終了したら、またブログに戻ることになります。大体(気合いを入れた)三十記事で一冊の本となるというところでしょうか。

春以降の目標ですが、これまで書籍化した伝説と神楽は子供の頃に好きなものでした。では青春期に好んだものをテーマ化できないかと考えたのですが、これだと現代思想が挙げられます。ただ、現代思想は私にとって難し過ぎるのです。

そこで、伝説、神楽ときたのですから、昔話はと考えました。ただ、昔話って書くことがあまりないのです。伝説のようなリアルな舞台がある訳ではありませんし。また、書店で入手できる口承文芸関連の書籍があまり無いのです。

そんな訳で今後の長期的な目標として角川書店『日本昔話大成』シリーズを通読できないかと考えています。昔話で何か新しい切り口がないか探してみたいのです。

ただ、昔話は先人が開拓し尽くしていますから、今更新しい何かが見つかるとも思えません。

まあ、島根の伝説と神楽で15年以上かけたのですから、それくらいの時間はかかるでしょう。気長にやります。

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2022年1月 1日 (土)

あけましておめでとうございます 2022.1

あけましておめでとうございます。今年も鷲宮神社の夜神楽には行けませんでした。オミクロン株が拡大中なので安全を優先させました。

昨年はブログは平常進行でしたが、ホームページでは英文サイトの開設、そして電子書籍のセルフ出版と動きのある年でした。

去年は三冊、電子書籍を出版しました。今年は二冊出版したいと思っています。一冊は既に待機状態です。国会図書館に献本して実績を残すのが目標です。

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