謎解きをする――苅谷剛彦/編「比較社会・入門 グローバル時代の<教養>」
「比較社会・入門 グローバル時代の<教養>」(苅谷剛彦/編)を読む。比較社会学の教科書として執筆されたもの。従来の知識伝達型の教育に飽き足らなくなった学者たちが集って執筆したもの。<視点を学ぶ><問いの立て方を学ぶ><謎解きパターンを学ぶ>といった観点で執筆されている。
僕は大学は法学部だったけど、法学では学部生が独自の見解を持つことはあり得ない。そういう意味では社会学の方が自由度が高いと言えるだろう。
僕自身は私大文系脳で統計学は履修していない。そういう意味では社会学の量的分析的手法は敷居が高い。ジェンダーの章など、量的分析が質的分析の陥穽を突き破るといった構図か。
90年代に出版された本なので現在と事情が異なっている面もあるかと思われるが、中々に面白い本だった。
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