生活の中の疑問符を拾い上げる――佐々木健一「美学への招待」
佐々木健一「美学への招待」(中公新書)を読む。美学の入門書で「生活の中の疑問符を拾い上げる」という姿勢で執筆されている。なので、全くの門外漢には分かり易かった。
理解した訳ではないが、美学は感性学とも呼びうること、現代では古典が新作よりも人気だが歴史上常にそうではなかったこと、芸術と工芸の違いは作者の精神性にあること、アヴァンギャルドが美を否定した後に現代美学が現れたことなどが挙げられる。
例えばコンサートに行く場合にはCDで曲を耳に馴染ませてから行く。複製から本物へという流れである。
美とは快をもたらすものだと考えられてきたが、デュシャンの便器の展示によって既成概念が打ち破られた。
俳句の不易流行という概念が取り上げられ芸術にも当てはまるとするが、それは伝統芸能にも適用可能だろうか。
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