多義的な読み解き方――廣野由美子『批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義』
廣野由美子『批評理論入門 「フランケンシュタイン」解剖講義』(中公新書)を読む。小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の技法と批評理論が概説される。フランケンシュタインの怪物が知能が高いという事すら知らなかった。「フランケンシュタイン」は多義的な読み解き方ができる格好の題材ということが明示される。
批評理論では脱構築批評の項が参考になった。構造主義とポスト構造主義の違いが分からなかったからだ。二項対立的な分析に対し、二項対立の間の境界が曖昧になっていく解釈を施すのである。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- アナーキー 上野千鶴子「近代家族の成立と終焉」(2023.03.27)
- 翻訳ものに比べれば――柄谷行人「マルクスその可能性の中心」(2023.03.18)
- 家事は不払い労働――上野千鶴子『家父長制と資本制――マルクス主義フェミニズムの地平』(2023.03.10)
- 推敲を終える(2023.03.04)
- Amazon Kindleストアで電子書籍の販売を開始しました。(2023.03.01)