範列的と連辞的
「範列的」paradigmaticとは言語学や文化人類学などで用いられる概念で、「連辞的」syntagmaticと対概念。鎖状に連続した諸要素のあいだに働く統合的関係を連辞的と呼ぶのに対し、多数の要素が同時並行的に関連しあう系列的選択関係を範列的という。
エドワード・W・サイード「オリエンタリズム」上 340P
文化人類学の本で「範列的」「連辞的」という語句が使用されていたのを思い出す。「オリエンタリズム」の注釈は分かりやすいものなので、メモしておく。
<追記>
範列的の例としては、桜―梅―チューリップといった横の繋がりが分かりやすいだろうか。当ブログ的にいくと、牛鬼―影ワニ、これは共に島根県大田市付近に現れる妖怪である。連辞的だと、影―ワニ(鮫)から「影ワニ」という妖怪が誕生するという事例が挙げられるだろうか。影ワニは船乗りの影を食べて命を奪ってしまうとされている。
<追記>
模式図化すると以下のような感じだろうか。
・[桜, 梅, チューリップ…]
↓
・[花]
↓
・[咲く, しおれる, 落ちる…]
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