間一髪――日本古典文庫「源氏物語」「東屋」
日本古典文庫「源氏物語」「東屋」を読む。源右大将(薫)は常陸守の養女(八の宮の実子である浮舟)に興味を覚えつつも、世間体がはばかられて手紙すら送られずにいた。常陸守には前妻と中将の君(浮舟の母)との間にできた子供が何人かいて、連れ子の姫君(浮舟)には愛情を持たなかった。中将の君は浮舟に幸せな結婚をして欲しいと願い、求婚者たちの中から適当な者を選んでいた。左近衛少将が良いであろうと、八月に結婚の約束をしていた。左近少将は浮舟が常陸守の実子でないと知って、にわかに態度を翻す。仲人を通して常陸守の実子で大事にしていた歳は十五六の姫君と結婚してしまう。中将の君は呆れてしまい、左近少将への印象が悪化する。中将の君は浮舟を二条院の中姫君の許に預けることにする。中姫君と浮舟はすぐに打ち解ける。中将の君も浮舟の側に居ることにする。中将の君は匂宮と左近少将を見比べて、少将に嫁にやらずに済んで良かったと思う。中将の君が浮舟の将来について中姫君に相談している最中に薫が訪ねてくる。薫は浮舟が二条院にいることを知らされるが、にわかにその気にはなれなかった。ところが、匂宮が浮舟の存在を知ってしまう。浮舟は自分が何者であるか語らなかったが、匂宮は浮舟に迫る。が、中宮の病状が悪化したという知らせで事なきを得る。中将の君は薫が熱心になっていたのに、匂宮に迫られてしまった事を危惧し、二条院から出て京の町中に居を移させる。。薫は宇治の山荘を訪ね、弁の尼と会話して浮舟を改装した宇治の山荘に移せないかと相談する。薫の使いが来て弁の尼は浮舟の許へ行く。夜になって薫がやって来た。薫は浮舟を連れて宇治の山荘に行った。薫は今すぐ妻として迎えるのははばかられる。しかし、女房並みの待遇にはできないと思い、しばらく宇治の山荘に隠しておくことにする。
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