恋は焦らない――日本古典文庫「源氏物語」「梅が枝」
日本古典文庫「源氏物語」「梅が枝」を読む。十一歳になった源氏の姫君の裳着の式(成年式)をあげるために仕度する。東宮も二月に元服し、東宮に入内させる予定である。源氏は薫香を思い立つ。弟の兵部卿の宮が訪ねて来る。前斎院から香が送られてくる。奥方たちも香を調合する。内大臣の子の頭中将や弁少将も訪ねて来る。源氏は楽を奏させる。中宮のいる御殿の西の離れで式を催す。明石の君は参加できない。源氏が姫君を東宮に入内させることを聴いて左大臣や左大将は自分の娘を入内させるのを躊躇したが、それを知った源氏はそれでは張り合いがないと姫君の入内を遅らせる。源氏は夫人(紫の上)と仮名談義をする。源氏は宰相の中将(夕霧)たちに書道を競わせる。兵部卿宮が訪ねて来て書道談義となる。内大臣は源氏が姫君を東宮に入内させるのを聴いて何とも言えない気分となる。今となっては雲井の雁と宰相の中将(夕霧)の結婚を認めるべきだったか、今からでもこちらから折れようかとも考える。一方、夕霧の反応は冷静である。夕霧には他に恋人を作ろうともしていなかった。夕霧は雲井の雁に手紙を送る。
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