形見の横笛――日本古典文庫「源氏物語」「横笛」
日本古典文庫「源氏物語」「横笛」を読む。衛門督(柏木)の四十九日が来た。六条院(源氏)は厚く寄付をした。大将(夕霧)も一条院の宮(柏木の妻、女二の宮)によくした。恋愛感情があるのだ。朱雀院は女二の宮、女三の宮とも不幸な境遇となったことを悲しむ。朱雀院は女三の宮へ自然薯と筍を送る。六条院も朱雀院からの手紙を読む。若君(薫)が立ち上がって筍をかじる。貴公子の相があるが、内親王もいる六条院で成長させるのは危険なことであるとも考える。大将は一条の宮を訪ねる。和琴を合奏する。女二の宮の母である御息所が柏木の笛を大将に渡す。自宅へ帰ると深夜となっており、雲井の雁が嫉妬する。その夜、夢に柏木が現れる。柏木は笛を手にし、他に望んだことがあると言う。夢はそこで覚める。笛は望んだ人の許へ行っていないと大将は考える。大将は六条院へ参る。六条院は明石の君の御殿へ行っていた。そこで大将は女三の宮(明石の君の娘、三歳くらい)と戯れる。大将は若君(薫)と対面、柏木に似ていると思う。六条院は大将の女二の宮への接近は不幸な結果になりはしないかと諭す。大将はあやまちは起こり様のない清い気持ちだと返す。大将は意を決して夕べの夢の話をする。六条院はその笛は由来のあるものであると語る。心中では譲りたい人は分明である(薫)と考える。大将は柏木が六条院に対して罪の意識を抱いていたと告げるが、六条院はとぼける。
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