絵画で競う――日本古典文庫「源氏物語」「絵合」
日本古典文庫「源氏物語」「絵合」を読む。六条御息所の娘である前斎宮を朱雀院が慕っていたが、源氏は冷泉帝の女御として入内させたことをすまなく思っていた。既に権中納言(頭中将)の娘が弘徽殿の女御として入内していたので、帝の寵愛を二分するようになる。斎宮の女御は絵が得意だったので、絵が好きな帝の寵愛を集める様になった。権中納言は張り合って絵師に描かせた良い絵を献上するようになる。源氏は贈る絵の中に須磨と明石を描いた自筆の絵を混ぜておく。宮中で絵合わせが行われた。右側が弘徽殿の女御、左側が梅壺(斎宮)の女御と別れて競った。甲乙つけ難かったが、最後に源氏の描いた須磨の絵のもの悲しさが決め手となって左側の勝利となった。権中納言は悔しがる。一方、源氏は出家を考え始める。
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