虫送り終了――佐藤両々「カグラ舞う!」
月刊ヤングキングアワーズ5月号を買う。佐藤両々「カグラ舞う!」今回も二話構成。虫送りで「土蜘蛛」を無事舞い終える。前のエピソードであったが、壬生の花田植えと同じ日程とのことなので、舞台は北広島町かもしれない。
神楽甲子園は虫送りと同じ土蜘蛛でいくと決まっており、話に何か変化をつけるとしたら、瞳に怪我をさせるとかだろうか。
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月刊ヤングキングアワーズ5月号を買う。佐藤両々「カグラ舞う!」今回も二話構成。虫送りで「土蜘蛛」を無事舞い終える。前のエピソードであったが、壬生の花田植えと同じ日程とのことなので、舞台は北広島町かもしれない。
神楽甲子園は虫送りと同じ土蜘蛛でいくと決まっており、話に何か変化をつけるとしたら、瞳に怪我をさせるとかだろうか。
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早川孝太郎「花祭」(角川ソフィア文庫)を読む。電子書籍版。講談社学術文庫版と両方あったが、角川が約370ページで講談社が約420ページだった。50ページの差がどこから来ているのかは分からない。
奥三河の花祭を取り上げたモノグラフ。祭りの式次第を図解を加えて極めて詳細に記述している。実際に花祭を見たことがある訳ではないので到底理解したとは言い難いが、魅惑の祭であった。
早川は画家だったとのことで、その観察力がモノグラフに活かされている。現代なら写真を撮るところだが、写真だと被写体の全てを描写するのに対し、絵だと描きたい、強調したいところだけを描写することになるから、却って分かりやすいものとなっている。
現在の神楽研究でも「花祭」ほどに詳細に祭のあれこれを記述したものは無いと言えるだろう。発表された当時、民俗学者たちに衝撃を与えたというのも頷ける。
一方、読んでいて思い出したのだが、確か岩田勝の指摘だったと思うが、榊鬼、山見鬼の裏で土公祭文が読誦されていたそうなのだが、早川の注意は土公祭文には向かわないのだ。土公祭文は竈祓いの祭文でもあり、また、花祭で読誦される土公祭文では五郎王子が五郎の姫宮となっているといった特徴もあるのだが、本書ではほとんど取り上げられていない。今入手できる「花祭」は抄縮版であり、元の「花祭」では記述があったのかもしれない。
花祭に登場する榊鬼、山見鬼は年齢争いで負けて反閇を踏んで大地を鎮めるなど、敬愛される存在であり、同じ鬼でも悪鬼しか登場しない中国地方の神楽とは異なっている。
花祭見学ツアーなど催されていないのだろかと検索したところ、過去にそういうツアーがあったことは確認できた。徹夜で舞う祭なので、宿泊はしないのだろう。そういう意味ではあまり地元にお金が落ちないのかもしれない。
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YouTubeライブ動画で久城社中の疫病鎮静祈願神楽「鐘馗」奉納を見る。途中でうとうとしだして危なかった。今回、なぜかYouTubeのライブ動画一覧には表示されず、『疫病鎮静祈願神楽「鐘馗」』と検索すると行けた。僕自身はFacebookのページからアドレスを辿っていった。斉藤先生をはじめとした何人かの人に情報を伝えていたのだが、Facebookの情報とは書かなかった。見られなかった可能性が高い。
疫病鎮静祈願神楽 無観客ライブ配信 「鐘馗」
https://www.youtube.com/watch?v=bSR2lex3VCM
普段は娯楽に徹している石見神楽だが、こういう奉納ができる一面もあるというところだろうか。
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ブログ「長州住保頼塩焼」が閉鎖するとのこと。石見神楽の記事が書けていないからだそうだが、残念である。ここで知った情報も多いし、別に毎日更新しなくてもいいから、三葛神楽だけでも継続してもらえないだろうか。ブログはログ形式で体系性が無いから、再放送でも問題ないのである。
ネットをやっていると、自分の書いたものをふと全部消したくなることがあるけれど、そういう時期なのだろうか。
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広島県の神楽を題材にした(他、天文、野鳥など)ブログ「斉藤裕子でごじゃるよ~」を最初の記事まで遡って読む。読み始めたのは確か2018年8月からだから、600ページ近く読むのに一年半近く掛かってしまった。
これで全部読んだといいたいところだけど、2018年8月以降の記事は未読なので、また遡らなければならない。このサイクルを何回か繰り返さないと最新記事に追いつかない。
どういう理屈か忘れたが、アキレスと亀というパラドキシカルな話があって、アキレスは永久に亀に追いつけないのだけど、それに似た感想である。
創作神楽のあらすじ等、結構、重要なことも書いてあったりするのだけど、ログ形式なので体系的に並べられている訳ではない。ブログの欠点の一つだと思う。
<追記>
ブログ「斉藤裕子でごじゃるよ~」を最新記事から2018年8月まで遡って読む。最初に読み始めたとき、いつの時点から読み始めたか記録していなかったので、曖昧ではあるが、一応全記事を読んだことにする。
2009年にブログがスタートしているので10年以上の歴史がある。読み進めていくと、当初高校生だった娘さんが若返って小学生になってしまう。ペットも何代か入替っている。
添付される写真はニコンP1000で撮っているはずだが、屋内のステージでも奇麗に撮れているのが意外だ。
競演大会関連の記事が多いのだけど、大朝の競演大会は浜田から高速道路で行けるので、機会があったら行ってみたい。
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第51回 東京都民俗芸能大会の中止が決定した。3月28日29日と池袋で催される予定で、29日には石見神楽東京社中も出演予定だった。僕自身は28日のチケットを文教大学の斉藤先生から送ってもらっていたので残念だ。新型コロナウイルスが蔓延しているので止むを得ないだろう。しかし、この分だと春以降のイベントも開催されるのか怪しい。
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三村泰臣「中国地方民間神楽祭祀の研究」(岩田書院)を読み終える。神田神保町の古書店街のデータベースサイトで通販しているもの。約一万円と高価だったが、定価を確認すると8,400円で、Amazonのぼったくり出品に比べれば、ずっと良心的だった。本当は国会図書館に通って読もうかと思っていたのだけど、新型コロナウイルスが蔓延しているので、都心方面への遠征は避けた。
著者は広島県出身で広島在住の民俗学者。現役の先生である。地の利を活かし、安芸十二神祇や比婆荒神神楽、備後神楽、芸予諸島の神楽、周防地方の山代神楽などが議論の中心となっている。
中国地方の神楽祭祀について論じたもので、そういう点では専ら人に見せる演劇に特化した芸北神楽の扱いは非常に少ないものとなっている。
基本的な論調は、柳田・折口の神座鎮魂論―籠ることで善神を身に付着させ生命の再生を図るとするもの―の善神的な認識だけでは中国地方の神楽祭祀は説明できないとし、悪霊を依代に憑依せしめて攘却する悪霊鎮送的な認識で分析したものとなっている。
その点では悪霊強制説を展開した岩田勝に近い方向性である。後発ゆえの有利さもあって、広島県を中心とし、美作から周防にまたがる荒神信仰ベルトの神楽―これまであまり光が当てられていなかった安芸十二神祇、芸予諸島の名荷神楽、周防地方の山代神楽など―を紹介し、荒神神楽の意図するものを分析している。
例えば、神楽で天蓋は必須の舞台装置と言えるが(※修験との関係が薄いのか関東地方の里神楽では天蓋を使用しない)、元々は棺を覆うものだったとして、死霊鎮送的な意味を見出している。その点で荒神神楽の過去の資料を読み解き、今では無くなった浄土神楽はどのような内容だったのか考察している。
先に演劇に特化した芸北神楽については記述が少ないとしたが、なぜ中国地方の神楽はテンポが速く鬼退治を好むのかといった疑問に対し
このように中国地方の神楽には悪神・悪霊と関わる「悪神=鎮送」の神楽の伝統がある。悪神を鎮送するために激しいテンポの奏楽で悪鬼や大蛇などを退治する舞が展開されてきたのではなかろうか。この地方の人々が異常なまでに速いテンポの舞や悪鬼退治の舞を好むのは、中国地方の神楽が悪神・悪霊と密接に関わりながら展開してきたからに他ならない。(344P)
としている。祭祀から庶民の娯楽としての神楽の変遷を考えると、悪霊鎮送と現代の鬼退治人気をダイレクトに結びつけるのは短絡的な議論にも感じるが、とにかくそういう解釈がここではなされている。
しかしながら、島根県石見地方の海岸部について見てみると、大元信仰も荒神信仰もない。悪霊強制型とは無縁なのだ。故に死霊祭祀とは無関係と言えるだろう。それでも石見地方の海岸部では鬼退治の演目が人気である。つまり、三村氏の仮説は仮説に過ぎないことになる。
岩田勝の死後、神楽とは何なのか追及する研究の潮流は絶えたかに見えたが、三村氏が広島で継承していた。これは中国地方をフィールドワークした強みと言えるだろう。最近の若手研究者は神楽周辺の環境を取り上げた研究が多いようなので、一方で神楽の本質を追求する研究する路線があってもよい様に思う。
なお、出版元の岩田書院のサイトに書評が掲載されている。
神田より子
http://www.iwata-shoin.co.jp/shohyo/sho1124.htm
藤原宏夫
http://www.iwata-shoin.co.jp/shohyo/sho1157.htm
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3月22日(日)に予定されていた「江戸里神楽を観る会」が新型コロナウイルスの影響で中止となった。行くべきかどうか迷っていたので、有難い判断だ。3月28日29日には池袋で東京都民俗芸能大会が催される予定だけど、こちらもどうなるか。
政府は三月上旬がヤマ場だとしているが、どうもこの疫病、長引きそうである。
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月刊ヤングキングアワーズ4月号を買う。佐藤両々「カグラ舞う!」今回は二話掲載。虫送りで「土蜘蛛」の途中まで。今回で39話らしいが、コミックス一巻が18話掲載なので、そろそろ2巻の話が出てもおかしくないのだが。
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