90年代の大学では
米沢穂信「さよなら妖精」という推理小説を読んでいる。ユーゴスラビアから来た少女をホームステイさせる話なのだけど(作中ではまだユーゴ紛争は起こっていない)途中「わざとでない伝統の創造ですね」というセリフが出る。「さよなら妖精」は2000年代の初め頃に出版された推理小説である。作者の米沢穂信と僕は十歳くらい違うのだけど、米沢の時代、90年代の大学だと「伝統の創造」という用語が教えられていたということになるだろうか。
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