次は虫送り――佐藤両々「カグラ舞う!」
ヤングキングアワーズ7月号を買う。佐藤両々「カグラ舞う!」今回は虫送りの話題。虫送り、僕も知らずググった。要するに、農薬がある現代だとそれほど深刻でもないのだけど、昔は鯨油を流して対策していたらしい。
「こっちの神楽は神事でのーてショーじゃてよう言われるけど
まあ否定はせんよ」
というセリフがある。これについては今では本質主義/構築主義の知識を少々つけたので以前とは多少異なる見方をしているのだけど、本質主義は現実から目を逸らしているとも言えるし、構築主義だと結果的に何でもありとなって、それも違うだろうとなる。でも本当に、関東の太々神楽を観ると全くの別物だと思う。
でも、いきなり関東の太々神楽を見せて、学問的にも貴重なものですからと言い添えても、普段神楽に馴染のない人からしたら舞台をぐるぐる回っているだけにしか見えないかもしれない。
そういう意味では演劇化してストーリー性があるから理解が容易になっているのである。儀式舞が軽視されがちではあるけれど、観光神楽の文脈ではやむを得ないだろう。
テンポの速い八調子を忌み嫌うのも一面では間違いである。要は緩急であるし、他の地域にないテンポの速さは8ビートのロックなどとの音楽性とも一面で通じ合うだろう。8ビートが世界を席巻したことも考えるべきだろう。
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