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2019年5月20日 (月)

どういうストーリーなのだろう――石見神楽、日本遺産認定

石見神楽が日本遺産に認定されたと知る。日本遺産って何だろうと思って文化庁のサイトを閲覧するが分かったようで分からなかった。

日本遺産のポータルサイトを閲覧。

・地域に点在する文化財の把握とストーリーによるパッケージ化
・地域全体としての一体的な整備・活用
・国内外への積極的かつ戦略的・効果的な発信

地域の有形・無形の文化財をパッケージ化することで点から面として把握できるようにする。パッケージ化に当たってはストーリー化して理解の容易化を図るということの様だ。国内外に情報発信するとあるので、観光に資するものという方向性の様だ。保存だけでは地域の魅力が十分に伝わらないとしている。

石見神楽の様に複数の自治体が絡むものはシリアル型と呼ばれる様だ。なお、日御碕神社で出雲神楽の定期公演が催されることが決まったとのこと。

<神々や鬼たちが躍動する神話の世界 ~石見地域で伝承される神楽~>
 島根県西部、石見地域一円に根付く神楽は、地域の伝統芸能でありながらも、時代の変化を受容し発展を続けてきた。その厳かさと華やかさは、人の心を惹きつけて離さない。神へささげる神楽を大切にしながら、現在は地域のイベントなどで年間を通じて盛んに舞われ、週末になればどこからか神楽囃子が聞こえてくる。老若男女、観る者を魅了する石見地域の神楽。それは古来より地域とともに歩み発展してきた、石見人が世界に誇る宝なのだ。

というストーリーらしい。ストーリーにも基準があり、興味深さ、斬新さ、希少性、地域性、理解しやすさ(専門的な知識がなくても分かる)といったものだそうだ。

石見神楽は江戸時代には既に舞われていたが、明治時代に入り、神職が神楽を舞うことを禁止されたため(神職演舞禁止令)、神楽の担い手が神職から氏子に移った。また、浜田市では神楽の改正作業が行われ、俗な口上台本を古風なものへと改訂され、また、テンポのゆったりとした六調子神楽から、テンポの速い八調子神楽へと変貌を遂げた。八調子神楽はそれまでの六調子神楽を塗り替える勢いで広がり、現在では六調子神楽の保存が課題となっている。

また、演目「大蛇」では竹と和紙で作られた蛇腹状の蛇胴が開発され、神楽のイノベーションをもたらした。スペクタクル化した「大蛇」は公演の目玉となり、トリの演目としてその地位を高めた。

なお、石見神楽では本来は岩戸からはじめて五神(五郎王子)で締める流れとのこと。

……といったところだろうか。舞台で上演される観光神楽は奉納神楽といった本来の文脈から外れるため、また派手な演出であるため「ショーである」といった批判もあるが、他地域にはあまり見られない程に普及している。いわば田舎のエンタメなのだ。

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