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2018年12月24日 (月)

広島神楽、ひろしま神楽に異議

YouTubeで神楽を見る。「芸北神楽」で検索したのだけど、検索トップはタイトルが「広島神楽 ○○神楽団 XXX」とあった。

広島神楽、ひろしま神楽と表記したりしているが、一見オール広島体勢を強調しているようでいて、その実、売込みたいのは芸北神楽の新舞だろう。広島県の神楽定期公演でも上演されるのはほとんどが芸北神楽である。広島県というくくりでいうと芸北神楽の旧舞や安芸十二神祇、比婆荒神神楽、備後神楽、芸予諸島の神楽など歴史ある芸能が継承されている。で、戦後に誕生した神事性の薄い芸北神楽の新舞がそれらの権威を借りようとしているだけなのではないかという穿った見方をしてしまう。

石見神楽がしまね神楽として売り出すことはない。

芸北神楽の新舞の傾向を要約すると、神祇からの逸脱だろうか。鬼退治に特化した故に人気があるとも言える。元は能や歌舞伎や御伽草子なので出自が悪い訳ではない。しかし、関東の神楽と見比べると、神楽=バトルという固定観念に染まってしまっているように見受けられる。

<追記>
中国経済産業局セミナー「伝統文化・神楽を担う組織の長期的な経営を考える~今だからこそ,将来を見据えた運営を~」という講演をリモート聴講した。

その中でもひろしま神楽という言葉が用いられたが、ひろしま神楽≒芸北神楽なのである。あたかも芸北神楽が広島の神楽を代表しているという体である。他所の神楽をやっている人達は文句を言ったりしないのだろうか。

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