芸北神楽をテーマにした四コマ漫画――佐藤両々「カグラ舞う!」
佐藤両々「カグラ舞う!」を読む。芸北神楽を題材にした四コマ漫画。広島の田舎に越してきたヒロイン・神楽が高校で神楽を始めるというストーリー。読んでみると、ほのぼのとした内容。巻末に取材先が載せられているけれど、件数が多くて、それくらい調べないと描けないというところだろうか。
芸北神楽は神楽としては新興勢力で、(企画を立てる上で)芸北神楽が神楽の代表みたいな認識はどうかとも思う。広島には十二神祇神楽や備後荒神神楽など古くからの神楽もある。新舞は戦後の創作神楽で、それでも70年くらいの歴史はあるけれど、神事性が薄いのが難点だと思う。
作者は広島出身なので、単に神楽が好きなだけかもしれない。しかし、(周囲には)この機会に神楽ブームを仕掛けたいという思惑があるかもしれない。とにかく、芸北神楽や石見神楽には「ショー」という批判がついて回るのを忘れてはいけないのである。
そこら辺はストーリーが進んで、神楽甲子園で全国の神楽が披露されて、配慮されるかもしれない。
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