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2018年6月25日 (月)

奄美・沖縄の伝承を中心に――福田晃「神語り・昔語りの伝承世界」

福田晃「神語り・昔語りの伝承世界」(第一書房)を読み終える。奄美・沖縄の昔話を中心とした論考集だが、最初の方では奄美のユタやカンカカリヤーの成巫体験が語られる。女性だが、長く病気を患い、あちこち信心を変えつつ、地元の信仰に回帰していく様が描かれている。成巫体験を経ることで病気が克服されるのである。

このとき、心の内なる声が発して、それが神の言葉として扱われる。それが神話などの伝承の原型となったという見方と要約すればよいだろうか。本書では、奄美・沖縄の昔話を中心とした伝承を扱いつつ、こうした伝承の特質を抽出していく。

昔、沖縄出身の人と会話を交わしたことがあるが、沖縄方言でしゃべっているため、何を言っているのかさっぱり分からないのである。標準語に馴染んだ沖縄の人でないと、こうした沖縄の伝承を記録することは難しいだろう。実際、翻訳した人の名が記載されている。

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