比較神話学についての対談集――ジョセフ・キャンベル「神話の力」
ジョセフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ「神話の力」(飛田茂雄/訳、早川書房)を読む。キャンベルの著作で通読したのはこれが初めて。キャンベルとモイヤーズとの対談集だが、比較神話学者のキャンベルは自己をゼネラリストと位置付けている。該博な知識をベースとして語られるので、要約は難しい。己の内なる体験に意義を見出すとでもいえばよいのか、神秘主義とも接近しているようである。
全米で90万部も売れたそうである。日本とは2~3倍くらいの規模の違いがあるけれど、日本でこの手の本が30万部も売れるという事態は想像し難い。ちなみに「消えるヒッチハイカー」は日本で一万五千部売れたとのことである。
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