神楽の口上台本――日本庶民文化史料集成
横浜市立図書館に行く。コピーは自分で撮れるので便利。
「日本庶民文化史料集成 第1巻 神楽・舞楽」(芸能史研究会/編, 三一書房, 1974)は中国地方の出雲流神楽では佐陀神能和田本、隠岐神楽歌集、石見大元神楽本、石見柳神楽本、備後東城荒神神楽能本集、備後比婆荒神神楽本、備後弓神楽祭文集、備後名荷神楽本、芸北神楽能本集、周防行波神楽神楽本などを収録している。「十羅」「日御碕」などの口上台本も収録されていた。五郎王子譚も幅広く分布している。
なお、広島県比婆郡東城町戸宇の宮脇栃木家の能本も収録されている。十七世紀まで遡れる古い能本である。
「日本庶民生活史料集成 第17巻 民間芸能」(三一書房, 1972)は地神経とその釈文、三河花祭祭文、芸北神楽等を収録している。
これらは島根県立図書館でも所蔵されている。
これまで、神楽の口上台本の情報源は「校定石見神楽台本」などに限られていたので、宝の山を発見した気分。ただし、詳細に注釈してある「校定石見神楽台本」の有難みもよく分かる。
論文を読むに、土公祭文や地神経の釈文、適切に漢字を当てると格段に読み易くなるようだ。
<追記>
「日本庶民文化史料集成 第1巻 神楽・舞楽」は分厚い本で、普通のコピー機でコピーすると、綴じの部分に大きな影が出来て、その箇所が読めないことがあるので、コピーしたいなら国会図書館の遠隔複写サービスがいいだろう。
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