花祭と五郎の姫宮
山本ひろ子「大荒神頌」(岩波書店)の花祭編「龍しずめ」「五郎の姫宮」を読む。花祭とは霜月神楽とも呼ばれる奥三河の神事芸能。
伊勢流神楽(湯立神楽)の流れを汲むとされ、昔は大神楽といって七日七晩もの長きに渡って行われる盛大な神事だったらしいが、現在では簡略化され、一日一夜の祭りとして集大成されたのが現在の花祭とのこと。
現在では廃れてしまったようだが、土公祭文も儀式に用いられていたようで、修験道や陰陽師の影響も伺える。
土公祭文では五行思想に基づく五郎王子譚が語られる。三河、東日本の五郎王子譚の特徴として、五郎の王子が男子ではなく女子として生まれることが特徴として挙げられるようだ。この辺りは西日本と対照的である。
五郎王子譚について平易に解説されており、お勧めである。
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