(番外編)天狗がいた――太郎坊:滋賀県東近江市
太郎坊こと阿賀神社は滋賀県東近江市(八日市)にあるお宮。太郎坊という天狗がいたとされる。
伝教大師が太郎坊山に社殿を建てようとした時には、山奥から現れて手助けしたといいます。
巨岩が並ぶ峻険の峰であり、古くから修験の場としてあったことは疑いようがなく、太郎坊天狗の伝説もそこから出てきたものだろう。
ご祭神は正哉吾勝勝速日天忍穂耳大神―マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノオオカミ―で天照大神の第一皇子神である。勝運を司る神様で、信仰が厚い。太郎坊は祭神・天忍穂命の守護神であるとのこと。
夫婦岩は二つの巨岩からなるが、「この間を通って参拝するものには、即座に病苦を除き諸願が成就されるが、悪心あるものは『岩にはさまれる』と言われ」とのこと。
◆余談
滋賀の八日市に姉夫婦が住んでいる。姉の許に遊びに行ったとき、義兄に連れて行ってもらったもの。このときは車で山麓に向かい、参集殿前の駐車場に車を停めた。眺めもよく湖東平野が一望でき、歴史ものが好きな義兄が「あの辺りでちょうど一キロメートル離れている」と教えてくれた。
勝運の神さまだけど、勝ちには恵まれない。天祐によるところはほんの僅かで、実力が不足しているということだろう。
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