黄砂の季節はそろそろ終わりかな?
PM:パティキュレート・マター(微小粒子状物質)。
日本でPMが問題になったのは主にディーゼルエンジンの排気ガスでした。90年代に先ずディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物:NO、NO2)の規制が東名阪で始まったのですが(NOxは酸性雨の原因ともされています)、ここで問題を投げかけたのが石原・前都知事。ビーカーかフラスコか忘れましたが、ススをこれ見よがしにしたのはインパクトがありました(※ススは目に見えますが、PMは見えません)。
ただ、国の規制と都条例で網のかけ方が異なっており、国の規制は東名阪で指定された地域に使用の本拠を置く車に対し一定の年数で代替えさせるものでしたが、都条例では規制をクリアしていない車は都内に入ってくるなというものでした。トラックの主なユーザー層である運送業者さん達が「この車はいったい何時まで乗れるの?」と混乱したことも確かです。
NOxとPMはトレードオフの関係にあり、片一方を減らすともう一方の排出が増えてしまうという根本的な問題を抱えています。燃料を高温で燃焼させるとPMは減るのですが、NOxの排出量が増えてしまうといった具合です。
対策として、1000気圧を超える高圧で燃料を噴射、きめ細かな燃焼制御を行なう新型エンジンが投入されました。PMについては排気ガスに含まれるPMを捕集するフィルターが装着されました。尿素水を排気ガス中に噴射してNOxを還元する尿素触媒システムも広まっています。これらの開発費は数百億円にも上り、トラックメーカーの経営に重くのし掛かっています。
それとは別に製油業界では軽油のサルファフリー化(脱硫)も行なわれ、以前に比べて硫黄酸化物の発生が抑制されています。
という訳で、強引に進んだ面もあるのですが、首都圏の空気がきれいになったのも確かです。以前は一日都内に出かけると鼻の中がススで真っ黒になったものですが、最近ではそういうことはありません。
石見地方だと三隅町に石炭火力発電所がありますけど、最近問題になっているのは中国の大気汚染に由来するものでしょう。自然の浄化能力を超えてしまっていると思われます。
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