三瓶山の放牧のきっかけとなった病気
三瓶山麓をドライブしていると放牧された牛とすれ違ったりする。「歴史の落穂拾い 出雲・石見」(石村禎久, 2000)という本で紹介されているのだが、三瓶で放牧されるきっかけとなったのは牛疫(牛肺疫)の大流行だそうである(170-173P)。
ここで放牧されているかどうかは分らないです(多分、違う気が)。
寛文12年(1672年)夏、長門の国(山口県)で発生した牛疫は中国地方、四国、九州に蔓延、死んだ牛は推定数十万頭にも及んだ。財産である牛が死に、また牛の価格が高騰した。農家にとって大打撃となったのだが、それを見た加藤藩(大田市川合町吉永)が種牛を上方から買い入れ三瓶の原に放牧、繁殖に努めたのち領内各村に分給したという経緯だそうだ。
大流行した原因だが、外国で牛疫で死んだ牛が対馬海流に乗って長門の国に流れついたと「歴史の落穂拾い 出雲・石見」では推測している。他、ググってみると日本に漂着した船に牛疫に感染した牛がいたという考察もされているようだ。
現在、牛疫自体は撲滅された病気だそうだ。宮崎で蔓延している口蹄疫だが、あれは人災だろう。
◆参考文献
・「歴史の落穂拾い 出雲・石見」(石村禎久[勝郎], 石村勝郎, 2000)pp.170-173
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