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2009年6月14日 (日)

題材は同じでも

http://www.youtube.com/watch?v=eRADvuxPpm8

出雲神楽「日御碕」の動画。約5分半。画質良。

鬼と剣で切り結ぶ日御碕大明神が印象に残る。弓矢の先入観があった。

KAGURA-TV

松原神楽社中「十羅刹女」

石見神楽 約37分・フル収録。

舞っているのはもちろん男性だが、女性が舞っているのかと見紛うようで印象的。

口上は聞き取ることのできない部分も多かったが、「はしの浦」などには触れていないのでは。間違っていたら要訂正。「鰐淵寺に住まう十羅姫命」とあって神仏習合の時代の名残だろうか。

冒頭、解説が流れるが、羅刹女の仏教神話に触れた後、須佐之男命の末子だとあり、何か異質なものが同居しているように思えた。本来ならどちらか一方だけで十分なはず。例えば羅刹女の誰か一人、黒歯でも成り立つ話だ。無論、昔の人は異質と思っていなかっただろうけど。

補足すると、仏教の十人の羅刹女が神仏習合していた名残で、全国に十羅刹女を祀る社があった。島根の神楽では須佐之男命の娘と一人に集約されているのが特徴か。

「鰐淵寺」とあるように舞台は出雲の日御碕。おそらく出雲から石見へ伝わったものだろう。

いずれも動画サイトに投稿されたもの。題材は同じはずだが、出雲神楽と石見神楽の違いが現れているように思える。八調子は躍動感溢れるが、細やかな所作は六調子の方が表現力に優れているかもしれない。画面の構図によって印象が全く異なる。自分が持っているDVDは引いた画づくりで臨場感には欠けるようだ。

↓関連記事:島根県の十羅刹女伝説:胸鉏比売――石見地方の異伝

https://woodenplane.air-nifty.com/log/2007/09/post-fe74.html

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