また一人、ウルトラの星に還る
作曲家の冬木透氏がお亡くなりになられたとの報道が。僕はおそらく幼児の頃から冬木先生が作曲した音楽を聴いていたはずで、そういう意味では初めて耳にした音楽に近いかもしれない。昭和の特撮音楽を手掛けた高名な作曲家は他にもいるが、その中でも流麗なメロディを得意とされていたのではなかろうか。
作曲家の冬木透氏がお亡くなりになられたとの報道が。僕はおそらく幼児の頃から冬木先生が作曲した音楽を聴いていたはずで、そういう意味では初めて耳にした音楽に近いかもしれない。昭和の特撮音楽を手掛けた高名な作曲家は他にもいるが、その中でも流麗なメロディを得意とされていたのではなかろうか。
米アカデミー賞、「君たちはどう生きるか」と「ゴジラ-1.0」が受賞。役所広司さんは受賞を逃した。宮崎駿監督は二度目の受賞。
「君たちはどう生きるか」は難解な作品。象徴分析が適しているかもしれない。長編映画を分析すると膨大なボリュームになり、ちょっとできそうにないが。
「ゴジラ-1.0」はやっとここまで来たのだなという印象。昭和の時代だと怪獣を実景に合成させるカットはほんのちょっとだけしかできなかった。
脚本家の江連卓が亡くなったことを記録し忘れる。江連氏はスカイライダーで伊上氏に代わってメインライターとなった。また、続くスーパー1でもメインライターとなった。RXでもそうだったとか。僕が近況を見たのはもうだいぶ前になるがドラマ誌で父の介護についてコラムを書かれていたことだった。
黒沢久子という脚本家のWikipediaを確認すると「ウルトラマンX」のシリーズ構成を担当とあった。有名怪獣であるゴモラのことを知らなかったというエピソードが紹介されていた。黒沢氏は僕と同世代だが、ゴモラを知らないということは初代ウルトラマンを見ていないということだろう。うーん、Xは見ていないけど、そういう基本中の基本を押さえていない、作品の原点を理解していない人にシリーズ構成という重責を委ねていいものだろうか。「メビウス」の赤星氏みたいな重度のマニアが担当するのも視野が狭くなって弊害があるのだけど。
たとえば平成三部作「ティガ」「ダイナ」「ガイア」の開始にあたってスタッフたちは「そもそもウルトラマンとは何者なのか?」を考え直して再定義してから作品造りに臨んでいる。作品に対する根本的な理解がないとできない作業である。
固定観念のない人の方がいい脚本を出してくる可能性があることも否定できないが、それは単発の仕事にとどまるだろう。
今回の黒沢氏の発言は原作を単なる素材としてしか見ていない。それを読み込んで深く理解しようという姿勢がないと解釈されてしまう可能性がある。
ゴモラという怪獣を知らなかったというエピソード、これは仕事を回してくれるようになるかもしれないクライアントの制作会社の代表作をチェックしていなかったというプロの物書きとしては非常にぬかった姿勢を如実に示すもの。まあ、他の作品は見ていたかもしれないが。
ウルトラシリーズは膨大なエピソード数なので全てチェックすることは不可能だが、これでは有能な脚本家を多数輩出した歴史あるシリーズということも知らないのではないか。
仮面ライダー、一家三代で執筆という記事の見出しを見る。井上家の祖父父娘の三代で脚本を担当するというニュースである。家業みたいなものである。ライダーの脚本なら書きたいと願う人は多いだろう。その娘さんが井上家の娘でなければそんなに若い段階では起用されなかったろう。でも、文筆業ではコネも実力の内ではある。父親のお墨付きということだから信用は担保されているということだ。
僕は商業レベルのものが書けないので、何を書いてもやっかみになってしまうが。
<追記>
当の井上亜樹子さんは「ゲゲゲの鬼太郎」6期の脚本を執筆されており、脚本家として既に実績を積んでいることが分かった。だが、皆が嫌いな世襲には違いないのである。東映の特撮番組は(ここ10年ほどニチアサは見ていないが)厳選された脚本家によって脚本が書かれ、誰でも参入できるというものではない。
……整理すると、まず、井上亜樹子さんは既に実績のあるプロの脚本家である。だが、世襲には違いない。だから批判の余地が生じる。井上家に生まれてなかったら、起用されるまでにもっと時間がかかったかもしれない。
一方で東映の特撮番組では脚本家は伝統的に厳選されている。ガッチャードのメインライターである長谷川圭一氏もウルトラシリーズで長年に渡って実績を積んできた脚本家である。一方で小林靖子さんのような人もいる。要するに「この人なら書ける」と判断された人が起用されている。
脚本家がどういうルートをとってデビューするのか知らないが、おそらく、公募コンクールで入賞するだけが入口ではないと思われる。むしろ何らかのコネ経由の人が多いのではないか。そういう意味では文筆業はコネと信頼なのである。「こいつなら任せていい」と思わせることだと思う。
港北109で「ゴジラ-1.0」を見る。一畑電鉄がクレジットされていた。日本もCGでこれだけの世界を描写できるようになったのだなと思う。以前僕が劇場で見た着ぐるみのゴジラ映画はむしろハム太郎の併映のポジションだった。
NHK「ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を見る。ほとんどがアクションシーンの演出に費やされていた。庵野監督は従来の殺陣を段取りが見えるとして採用せず、殺し合いに見える泥臭いアクションシーンに仕立て上げたというところだろうか。
映画「シン・仮面ライダー」を見る。前半は怪奇路線、後半は2号ライダーも登場してダブル・ライダー路線と言えば間違いではないであろうか。戦闘員とのバトルでは血しぶきが飛ぶ演出が加えられている。人間の数十倍の力を持ったライダーが格闘するとそうなるという演出であった。結末は原作を尊重したものだろうか。僕自身は原作を読んだことがないけれど。
横浜ブルク13で『ウルトラセブン』55周年記念4K特別上映を見る。上演されたのは、「宇宙囚人303」「超兵器R1号」「盗まれたウルトラ・アイ」「史上最大の侵略(前編)」「史上最大の侵略(後編)」。これまでウルトラシリーズはSD画質でしか見たことがなかったが、4Kリマスターだと劇場の大画面でも綺麗に見えた。