エレノア/エマ

2018年12月23日 (日)

エレノアに感情移入する人多し

当ブログ、一日に数件のアクセスしかない過疎ブログである。アクセス数ゼロの日も珍しくない。そんな中で、継続的にアクセスのあるのが森薫「エマ」関連の記事である。といっても詳しい解説などは書いてない。単に、エレノアは酷い目に遭ったけど、先にエマに逢ってしまったんだから、エマに心動かされるのは仕方ないよね、といったニュアンスの小記事である。

これがいつもではないけれど地味にアクセスがあるのだ。初めは同じ人が「エマ」に思い入れが強くて繰り返し読んでいるのかと思っていたけれど、アクセスポイントを見るに、地域はバラバラなのである。なので、「エマ」ではエレノアに同情する人が案外多いという傾向にあると言えるかもしれない。

エレノア自身は無垢な少女でウィリアムとの結婚を疑っていない。それだけにウィリアムの一方的な婚約破棄でショックを受けてしまう。その不憫さが同情を誘うのだろう。

一方、ウィリアムにとってエマは運命の人である。運命の人を我がものにせんがため恥も外聞もかなぐり捨てる。個人的にはウィリアムとエマはアメリカに渡って、しがらみのない土地で商売するのがいいのではないかと作品世界とは関係ない妄想をしてしまう。

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2010年6月10日 (木)

2年遅れで読了

2年遅れで森薫「英國戀物語 エマ」第10巻を読み終える。物語はウイリアムとエマの結婚式で幕を閉じる。

ジョーンズ一家はエレノアの破談で子爵伯爵家の面子を潰してしまった。求婚したのはウィリアムだから言い逃れようがない。

そのツケが回ってくるはずだが、その辺にはあまり触れられていなかった。個人的にはその辺も読みたかった。でも、どちらかと言えば結婚した後の話だろうし、それは作者が描きたいことではないのだろう。

エレノアの前に現れたアーネストに関してブログを辿ってみると、「あてがわれ感」を指摘する声があった。言われてみればそうかもしれない。

この作品はエレノア正妻、愛人エマで丸く収まるところを10巻も費やし……とネタ半分で思っているが(ネットを検索したら考えることは皆一緒だった)、エレノアより先にエマにめぐり逢ってしまったから。そういうどうにもならない心を描いた作品だろうか。

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2010年4月 6日 (火)

傷心のエレノア

森薫「英國戀物語 エマ」8巻を読む。2年以上積ん読になっていた。7巻までで本編は終わり、8~10巻は外伝的な内容。

若き日のケリー夫人と傷心のエレノア嬢のエピソードが主な内容。他のサブキャラは忘れた。

エレノアのエピソードでは時間が経過したのだろう、少し大人びた容姿となっている。夏の浜辺で若い男(アーネスト)と逢う。アーネストはウィリアムの知人でもある。

作中、エレノアはエマのライバルという立ち位置。なのだが、エマより年下で育ちも良く健気な少女で、ウィリアムに婚約を破棄されてしまうのが可哀想なくらいだった。

思うに、エレノアより先にエマに逢ってしまったから。それ以上の理由はないような気がする。

お話自体は淡々としているか。見所は19世紀のイギリス。様々な階層の人々の活き活きとした暮らしぶり。描き込みの細かさに伺える。

……学生時代に当時の欧州の生活について触れた本を読んだことがある。煙突掃除夫の少年たち、確か癌(睾丸とか)で亡くなることが多かったのだとか。

日本のメイドもの、現実とは異なる点が多々あるだろう。欧州では階層も違って、もっとドライな関係の印象。日本ではどことなく番頭さんと「いとはん」「こいさん」の感覚が残っているのかもしれない……と思っていたが、「風とともに去りぬ」を観ると黒人の女中がヒロインに苦言を呈する場面もあった。

<追記>
単行本をはじめから読み返す。エレノアはまだまだ遊びたい盛りの女の子だったのだけど、破談で一転、大人の女性になってしまった。

分析的な見方をすると、陰影を帯びた女となったエレノアはより魅力を増したのだけど、ポッと出のアーネストにくれてやるのも惜しいというところだろうか。

個人的には不義理は不義理だとは思う。

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2006年5月30日 (火)

身を引く

姉からメールが。「英國戀物語エマ」の録画した分をDVD-Rに焼いて送ったのだが、気に入ってくれた様である。しかし、この作品、主人公ウィリアムは本妻エレノア、愛人エマさんで丸く収まるではないか(!)と思っちゃうのだが、それは男の身勝手か。好きだけど相手のことを想って身を引いてしまうのはアジア的な感性だとどこかで聴いたことがある。恋愛は結構お国柄が影響するらしい。

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