ポール・サイモン関連の過去のビデオ資産を再視聴する
・Paul Simon in Concert
・Paul Simon's Concert in The Park
・Paul Simon Graceland: The African Concert
・Paul Simon & Friends The Super Session Ⅳ
・The Paul Simon Special
・Paul Simon Born At The Right Time
・Paul Simon Graceland
といったポール・サイモン関連のVHSビデオをみる。英題で記しているが、日本で発売されたセルビデオである。過去のビデオ資産を再視聴した次第。
引っ越しで荷物を整理してようやく視聴環境を整えることができた。既にビデオデッキの補修部品の生産が打ち切られてテープ資産の今後が危ぶまれる時代となっているが。
「Paul Simon in Concert」はワン・トリック・ポニーの時代のライブを収録したもの。これはDVD化されている。「Paul Simon's Concert in The Park」はボーン・アット・ザ・ライト・タイム・ツアー時にニューヨークのセントラルパークで開催された大規模な無料コンサートを収録したもの。ポールのキャリアのピークと言えるライブだが、DVD化はされていないようだ。テロの時代となったので今では同じ規模でのコンサート開催は難しいかもしれない。「Paul Simon Graceland: The African Concert」はグレイスランドの時、南アフリカでコンサートを開催できないため、隣国のジンバブエで開催されたコンサートを収録したもの。「Paul Simon & Friends The Super Session Ⅳ」は時期は分からないが、ゴスペル歌手とコラボしたコンサート。本場の歌手の声量は凄い。「The Paul Simon Special」は時の流れにの頃、プロデューサーに振り回されるポールを描いたコメディ的な作品。「Paul Simon Born At The Right Time」はボーン・アット・ザ・ライト・タイム・ツアーまでのドキュメンタリー。「Paul Simon Graceland」の邦題は「メイキング・オブ・グレイスランド」
時期的に「グレイスランド」の話題が多い。「グレイスランド」は大成功をもたらし、ポールが復活というか活力を得て再生するきっかけとなったが、同時に大バッシングも受けた。当時は南アフリカでアパルトヘイト政策が続いていたため、南アフリカで黒人ミュージシャンとコラボしたことが問題視されたためである。
確かに白人が黒人音楽を搾取したという見方も成り立つのである。ただ、「グレイスランド」が大ヒットしていなかったら、南アフリカの黒人音楽は一部の音楽通の間で知られる存在に留まったかもしれない。そこら辺、一言で割り切れない問題を孕んでいるのである。僕自身は当時高校生だったが、こんなギターの奏法もあるのかと驚かされた。アルバムや曲自体の政治性は強くなかったのも却ってよかった。解釈によってはそうもとれる曲もあるが、普遍性をもった内容に抑えているから広く受容されたとも言える。
なお、25周年記念アルバムに収録された映画ではインタビューを受けた黒人男性が「彼は来るべきではなかった」と答えていたので、未だに賛否両論であることが分かる。