今や世界的なコンテンツに――ボーカロイドの繊細な世界
「NHKスペシャル 新ジャポニズム 第2集 J-POP“ボカロ”が世界を満たす」をNHK+で視聴する。ボーカロイド、初音ミクがリリースされたのは2007年とのこと。それから十数年が経過してボカロの文化は世界中に広まっているという。ポピュラーミュージックの世界で言語の壁は物凄く分厚いので世界中に普及するとは思ってもみなかった。
僕自身はアニソンは好きで楽曲を割と積極的に購入したりしている。女性ヴォーカルが多い。ボーカロイドというかニコニコ動画にはあまり没入できなかったので、その世界はよく知らない。「パリピ孔明」で96猫さんのことを知ったくらいである。それも96猫さん自身の声というよりアニメの作中キャラの英子の歌声の96猫さんが好きといった感じである。そういう意味では僕自身は生身の歌い手――それもどちらかというと異性の歌声――の方に魅力を感じているらしい。
番組中で取材されていたボカロファンたちはマイノリティ的な立場の人が多かった。彼らはボカロ曲の繊細な心情を綴った歌詞に惹かれているようだ。「これは私のことだ」といった風に共感するらしい。日本だとそういうささくれだったというか繊細な心理描写をしたコンテンツは普通に存在するが、外国ではどうなのだろうか。
外国人研究者はボーカロイドを「空の器」と形容していた。日本人の伝統芸能研究者は能になぞらえて「余白の文化」、敢えて余白を残して想像を巡らす余地を作っておく伝統に言及していた。
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